アルミテープチューンインプレ ボディー編



さて、では実際にアルミテープを貼った場所と、その効果をインプレションしてみましょう。
まずはじめに効果の体感具合の一覧を書きます。 記号の意味は以下の通り。
 
◎ 良い方向にとても体感できた。
〇 良い方向に若干体感できた。
△ 体感できる変化は無かった。(もしくはプラセボの範囲内)
× 悪い方向に変化した。(私の好みの方向とは違うという意味です)


では結果です。
始めにボディーの空力的変化が期待される場所についてです。

 ボンネット  ◎
 Fバンパー  〇
 Fリップスポイラー  ×
 ステアリングコラム下  △
 Fフェンダー  △
 ドア  △
 Fガラス  〇
 Fホイール  ×
 ドアミラー  ×
 ヘッドライト  ◎
 ドアバイザー  △
 リアガラス  ×
 リアバンパー  ×
 

詳細について:
 
ボンネット、フロントバンパー、フロントガラス、ヘッドライトは大体同じ様な効果を感じました。
一言でいうと、空気抵抗が減った感じです。 例えるなら、標高が高く空気が薄い道を走っているようなフィーリングですかね。
まるで昔は一般車が入れた日本一標高が高い道、乗鞍岳を走っているみたいな(って、誰も分からないか(笑))。

低速域でもとにかく気持ちよく風を切って走るフィーリングですが、高速域からの加速が特に良くなったように感じました。
またダウンフォースが若干増えたようなフィーリングもありました。 これは正確にはリフトが減ったのでしょう。 フラつきが減ったためか、高速域での直進安定性は上がっていると感じました。
それと 何というか、とにかく走っていてとても気持ちが良くなりました。 高速域では風切り音も少し静かな方向に変わったかもしれません。。
 
逆にトヨタで推奨しているステアリングコラム下は、私の場合は特に体感できませんでした。
フロントフェンダーやドアも同様に変化があったとしても微妙でしょうか。
逆にヘッドライトは大きく体感できましたのでお薦めです。 ライトと言っても正確にはボンネットを開けて、ライトの上部に貼りました。 これならボンネットを閉めれば外からは見えません。
 
逆に悪い方向に変化した場所の筆頭が、フロントスポイラー下部です。
ここも見えないようにフロントスポイラーの裏側に張ったのですが、その変化に驚きました。 フロントタイヤのグリップ感がとても薄くなったのです。
ステアリングに伝わるタイヤのインフォメーションも減り、一言で言えばフロントがリフトしてしまいフロントタイヤの荷重が減ったイメージです。 少しアンダーステアが増えたので、実際に荷重が減っているかもしれませんね。

この症状はフロントのタイヤホイールに貼った時も同様でした。 またドアミラーに貼った時も多少ですが、フロントタイヤのグリップ感が減った感じがしました。 こんなところでなぜ変化するのか?と疑問に思いました。

またリアガラスやリアバンパーに貼ると、逆にリアタイヤの荷重が増えてグリップが上がったイメージでした。
これは一般には悪い変化ではないかもしれませんね。 特に後輪駆動車ならばトラクションが増えて良い変化となるケースが多いでしょう。
ですが私の四輪駆動車では、バランス的にアンダーステアが強まる傾向になったため、個人的には好まない方向なので剥がしてしまいました。 ここは好き好きでしょう。
上手く使えば、GTウィングやスポイラーの代わりになるかもしれませんし、それらの効果を増やすかもしれません。
 
余談ですが、フロントガラスにアルミテープを貼ると雨やウォッシャー液の付き方が変わります。
何というか、撥水性コーティングから親水性コーティングに変えたような変化で、水滴が丸くならずにスムーズに流れるイメージです。 またガラスに汚れが付きにくくなりました。
 

考察(あったほうが良いですよね?):

ボンネットやフロントガラス、リアガラスのような車体上部で地面に対して水平に近い部分は、アルミテープを貼ることで理論編に書いた境界層剥離が減っている可能性があるでしょう。 そのため外乱が減り、空気が薄くなったような安定感を感じているのではないかと考えています。
また同じく理論編に書いたように、境界層剥離には車を上や後ろに引っ張る作用があるので、それが減れば加速が良くなったりダウンフォースが増えたようなフィーリングになることもあると思われます。

不思議なのがヘッドライトやフロントバンパーですが、これらはどんな影響を与えているのでしょう?
理論編に書いたように、車のボディーも空気も同じプラス極に帯電するので、車体の前部には空気との間に斥力(引力の反対)が発生していることになります。 これが車の加速を妨げたり、或いは流れる空気に何らかの影響を与えているのかもしれませんね。

特にリアガラスは境界層剥離が最も起きやすい場所なので、アルミテープにより乱流が減ることでリアのリフトが抑えられ、またスポイラーやウィングに綺麗な流れの風が当たることでリアタイヤのグリップが上がったと考えるのが自然でしょう。
これは理論的にも実験結果もボルテックスジェネレーターを付けた効果と似ていますね。
リアバンパーも車体後部に発生する境界層剥離を減らすことで、乱流が減り、リフトが減った可能性が高そうです。
 

さて、一番良く分からないのがフロントスポイラーに貼ったときにどうしてフロントタイヤのグリップが落ちたかです。
これはなにかの間違いかと思って色々試してみましたが、やはり同様の結果でした。
ここから先は、信ぴょう性の低い私の個人的な推論です。

境界層剥離は、何も車体上部だけで起るとは限りません。 確かにレーシングカーの様に床下がフルフラットで車高も数ミリしか無ければ、車体下部では境界層剥離は起きないかもしれません。
ですが、車高が9cm以上あって下廻りが凸凹の市販車では、車体下部の色んな所で境界層剥離の様な現象が起きているのかもしれません。
そしてそれらが作る乱流は当然、車体上部に発生するリフトさせる力とは逆方向の力となるので、ダウンフォースとなっていると。
ところがリップスポイラーの静電気を除去してしまうと境界層剥離が起きにくくなるため、床下の乱流が減り、結果ダウンフォース減る。

或いは別の説として、フロントスポイラーがプラス極に帯電していると空気との間に斥力が働くので、床下に空気が入りにくくなり、結果、真空に近くなった床下がダウンフォースを生むと。 これは昔流行ったグランドエフェクターと同じ様な原理でしょうか。
つまり車高が高く床下が凸凹の市販車では、出来るだけ車体下に空気を入れないようにしてしまうのが一番ダウンフォースを生むという発想ですかね。
よってアルミテープを貼ってプラス極の静電気を除去してしまうと、車体下に空気が入りやすくなってこれがリフトを生む。

まあ私の考えた限りではこんなことろです。
 
ただし、フロントスポイラーに貼るとフロントタイヤのグリップは減りますが、逆に転がり抵抗も減るので燃費は良くなるかもしれませんね。
スポーツ走行に興味がない方ならば、これはメリットとなるでしょう。
フロントのタイヤホイールやドアミラーに貼った際もスポイラー程ではありませんが、微妙にフロントタイヤのグリップが減ったような気がしました。 でも原理については良く分かりません。
いずれも何らかの理由で、静電気がダウンフォースを産む方向に行っているのでしょう。

余談ですが、ドアミラーをたたんで走るとメッチャ加速良くなるんですね(笑)。 今回、ドアミラーの空力実験でやってみて初めて知ったのですが、驚きました。(もちろん、公道では違法だし危険なのでやらないで下さいね)
 

取り敢えず、こんなことろでボディー編は終了です。
 
良い方向に行くか悪い方向に行くかは置いておいて、アルミテープは何らかの変化をもたらすものであることは間違いないと思います。
皆さんも色んな場所に実際に張ってみて、実験してみると面白いでしょう。
 

ここで、貼るアルミテープについても少し触れておきましょう。
アルミテープには糊が導電性のものとそうでないものがあります。 もちろん、静電気除去が目的ならば、導電性のテープの方が適します。
導電性でなくてもそれなりの効果が得られると言われていますが、導電性の方がより確実です。

そもそも変化自体が微妙なのに更に不確定要素を増やして、後から「導電性テープじゃないから体感できないのかなあ?」なんて思って結局導電性のものに買い換える羽目になるのは無駄ですからね(笑)。
価格差も大してないので、始めから導電性のテープを買うことをお勧めします。

それとコロナ放電を効率的にするためには、貼ったアルミテープが尖っていることが大切です。
普通のハサミでジグザグに切っても良いですが、やっているうちにこれまた専用のものが欲しくなると思います。
これも大した価格ではないので、買ってしまうのをお勧めします。

ここに定番の導電性アルミテープとハサミを紹介しておきますね。(私が使用したものです)

導電性アルミテープ
ギザギザに切るハサミ


続く……

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