Spoonコンプリートエンジン(2000cc) 圧縮比:11.9

さて、どうしてS2000のエンジンは壊れやすいのか?に書いた通りエンジンブローにより載せ換えである。

本当は純正のエンジンAssyが良かったのだが、F20Cはもう生産していないということで、社外品を選択。
ノウハウが有りそうなのと、ディーラーの都合上Spoon製を選択。
部品はヘッドガスケット以外は全て純正で、ピストンとコンロッドのバランス取りだけしてある。
圧縮比は、ガスケットのみでノーマルより0.2上げて、11.9である。

純正ガスケットで、ノーマル圧縮比も選べるが、私の計算ではF20Cは燃焼圧に対してはマージンがあるが、
高回転でのマージンが少ないことを考え、高回転は少しマージンを取り、下のトルクを上げて加速を稼ぐことを狙い
圧縮比を上げる方向を選んだ。

圧縮比を上げると上の回転が重くなることもあるが、F20Cのカムのプローフィールがレーシングエンジン並みなことや、
吸排気を交換することを考えるとその心配はないと判断。

さて、インプレッションだが、ノーマルよりもパワーが出ていると言うより、フリクションが少なくストレス無く回り、スムーズでレスポンスがいい感じである。
バランス取りと、燃焼室容積合わせの効果は絶大であり、当たりエンジンと同様の物が作れるといった感じである。
ただ、レスポンスはフライホイールの軽量化もあるので、どの程度の効果なのかは不明。
また基本的にレース屋さんのエンジンは、恐らくクリアランスなどが緩めに組んであるらしく、硬いオイルを入れても非常にエンジンが軽い感じである。
(純正エンジンに同じオイルを入れたら、重ったるくてしょうがなかった。)

また、フライホイールの軽量化で低回転のトルクが落ちるかと思ったが、圧縮比を上げることでうまく下のトルクも稼げているようである。
問題の高回転だが、予想通り重くなることもなく、純正よりも上が良く回る感じである。
このエンジンは後期型ベースの部品を使っているため、元々低回転のトルクもあり、ハイカムに切り替わるまではスカスカの初期型エンジンと比べ、
全回転域で使えるようなエンジンに仕上がった感じである。
特に、3速後半や、4速や5速といった高速ギアではノーマルよりも明らかに前に進める力が強い感じである。
既に2万キロ以上走っているが、絶好調である。

ただここまでやると、排気のキャパが足りなく、マフラーがノーマルなのが少し厳しい感じがするのと、コンピュータを現車合わせした方がいいと思われる。
ノーマルマフラーに、ノーマルECUでも十分に気持ちいいが、ちょっとマフラーとECUをセッティングしないと宝の持ち腐れ感があるのも確か。
 

副作用は、エンジンオイルを硬めにしないとオイルはかなり減る事。
走り方にもよるが、1000Km走って夏場で、600〜800cc。冬場で、800〜1000cc以上といったところか。
(無限製ローテンプサーモ使用時)
ただ、硬いオイルを入れることにより、必然的に低速ギアや、低回転などの吹けの軽さは犠牲になる。
また、オイルは高価なMotul 300Vの10w−40指定で、それ以外は入れてはいけないとの事。
良く減る事とあいまり、オイル代だけでもかなりかかる。

それと、当たり前だが、大手チューニングメーカーとは言え、ディーラーのような対応は期待しない事。
万一、エンジンを載せた帰り道に壊れたとしても、何の保証もありません。
 

以下余談だが、エンジンベンチを持っているショップだったら、絶対にラッピング(エンジンベンチでの慣らし)をやってもらうことをお勧めする。
自分で慣らしをやるのが楽しいという人は別だが、正しい慣らし運転は非常に面倒な作業だし、時間もお金も掛かる。
慣らしについては別途詳しく書く予定だが、どんなにうまくやってもラッピングには絶対にかなわないと思われる。
ラッピングすると、本当に綺麗に当たりが付き、それだけで軽くチューニングしたエンジンのような性能を発揮するらしい。
私はやらなかったが、自分で慣らしをするよりも安いし、早いし、楽だし、性能が出るし、色んな意味でやれば良かったと思っている。


以上

見た目はノーマルですね。

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