神器 その1 (後編)



シミュレーターとすり合わせるためのポイント:

神器の目的は、あくまで実際のドライビング環境をシミュレーターに近づけることです。
そのためには、四点式シートベルトの着用にも幾つかのポイントが有ります。

上記のように、体がGによる影響を受けないようにすることが目的なのですから、シートベルトは体が完全に動かなくなるほどキツく締める必要が有ります。 ブカブカでは全く意味がありませんし、三点式ベルトと変わりません。

そのキツさたるや、特に腰の部分は内出血するかと思うほどに私はキツく締めています。
胸の部分もブレーキングで体が前後に動くようではだめです。 こっちも私は血が止まるかと思うほどにキツく締めています。
実際に胸を押さえられるので、大きく息を吸うのが苦しいほどですかね。
(もちろん、やりすぎには注意してくださいね。 本当に血が止まったら大変ですから(笑))

こうすることで、Gから受ける影響をかなり減らすことが出来るでしょう。 体から力が抜けるし、体がブレないので抜群にハンドル操作がしやすくなって、シミュレーターの運転に近づいたことがわかると思います。
特にブレーキング時に、手でハンドルを前に押す方向の力が無くなることがとても大きいと感じるでしょう。
前方向の慣性は、ベルトが全て受け持ってくれますからどこにも力を入れる必要がありません。
いえ、逆に必ずそう意識しないとだめです。 前方向のGは、 全てベルトに任せてしまえばよいのです。
減速時には少し胸を張るようなイメージでベルトで体重を受け止めて、手はブラーンと力を抜くようなイメージです。
これでハンドルにしがみつく状態から、完全に脱却できるはずです。

またベルトをキツく締めることで両肩がシートバックに固定され、常に、リアタイヤが滑った時にも体と車の一体感が途切れることがありませんし、車体からのインフォメーションが途切れることもありません。 このことが大幅に恐怖感を減らしてくれます
そして恐怖感が減れば冷静に正確な操作をすることが出来るのです。 そう、まるでシミュレーターを運転している時の様に。
シミュレーターをやっている方ならきっと、びっくりする程に運転しやすくなると思います。
 

さて、これを“神器その1”にしたのには、他にも理由が有ります。
四点式シートベルトは何と言っても価格が安く、また普段の車の使用においても、副作用が殆ど無いので極めて敷居が低いのです。
また意外かもしれませんが、四点式シートベルトを付けると運転時の疲れが大幅に軽減されます。
長時間ドライブもとても楽ですし、高速走行時にも安心感が高まるために神経系が疲れません。

まあ三点式ベルトを付けていた時には、無意識のうちに色んな所に力を入れていたんですねぇ……。
四点式シートベルトには、車に強く抱きしめられているような安心感が有ります(笑)。
これにより運転時の緊張感も減ります。 きっと四点式に慣れてしまうと、三点式が怖く感じるようになると思いますよ。

よって純正シートがセミバケットシートになっていたり、あるいは自分でセミバケットシートやフルバケに交換している際には、四点式シートベルトを通す穴が背もたれに付いているため、付けない手はないと思います。
(ただし穴のない普通のシートの際には、少し工夫が必要となるようですし、固定具合もイマイチになると思います。 その場合には神器2を先にした方が良いかもしれません(これについては、後述))

 

四点式シートベルトの注意:

四点式シートベルトは法的にはアクセサリー扱いなので、同時に三点式も付けていないと道交法違反になります。
よって公道を走る際には四点式の上から三点式もしてくださいね。(おかしな話ですが……)
 
また後部座席を頻繁に使う人は、後ろにバックルが付いている脱着が簡単な以下のようなものが便利です。
ただしこれらは簡易的なものが多いので、ターンバックル式の物もないですし、ベルトも細めの2インチの物しかラインナップが無いと思います。
装着する時もリュクサックを背負うようにして付けなければいけませんが、一箇所で全てのベルトを止めるターンバックル式と違って、左右のベルトの幅が広く取れるので一概に悪いとは言えません。
これでも目的である”体の固定”には十分役目を果たしてくれますし、ベルト幅も肩の部分は2インチの方が良いという意見もあるようです。(TAKATAなんかは2インチを推奨しているみたいです)

なので安価なことも含め、取り敢えず試してみるのに良いでしょう。
そして四点式シートベルトの有効性がわかった所で、本格的な物を買うのもありでしょう。

最後に、私が使っているSabelt製のものを以下に紹介しておきましょう。
購入場所の参考(amazon)
購入場所の参考(楽天)

 

おまけ:

更に四点式シートベルトの有効性を三点式ベルトで仮想体験したい人は、裏技的に三点式シートベルトをロックさせて使用する方法が有ります。
やり方は以下の通り。
 
1,シートを自分のドライビングポジションよりも少し後ろにスライドする。
2,シートベルトを手で思いっきり引っ張ってロックさせる。
3,ベルトがロックした状態でシートを前に戻す。
 
以上。


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