伝えたいこと。


さて、「ガチで速くなる練習方法」もいよいよ重要な話に入っていきます。
そこで 次のステップに行くに当たり、以前からずっと書こうと思っていたことをちょっと書いてみます。

以前からちょいちょい、「最近すぐに答えを書くことに疑問を持っている」的なことは書いてきましたが、その理由についてです。
ホームページのコンテンツも増えてきましたが、私が本ホームページで1番伝えたいことは何か、と言うお話です。
(ちなみにこのHPに対して、「いつも理論説明が長いからとっとと結論だけ書け」的な書き込みを見たことがあったのも、疑問を持つきっかけの一つでした(笑))

私は自動車については素人なので、他人に何かを「教える」何て偉そうなことは言えませんが、私なりに「伝えたいこと」ってのはあります。

それは、ドライビングの理論やテクニックというものは、「最終的には自分で作るものだ」、と言うものです。

なぜなら、究極の所、誰も「本当の速く走る秘密」は(知っていても)教えてはくれないからです。
例えば雑誌の記事や書籍などで、プロのレーシングドライバーがドラテクの話を書いていたりしますね。
でも彼らが本当に速く走るために重要なことを全て書いているかというと、そんな事はありません。
もちろん、間違っていることを書いているわけではありませんが、核心はいつもビミョーにぼかして表現をしているはずです。
まあ考えてみれば当たり前ですね。
彼らにとって速く走るための秘密はトップシークレットです。プロにとってはそれが「飯の種」ですから当然ですね。

なのに、それらを不特定多数の人に教えるはずはありません。
例えばマジシャンがマジックのタネを全部教えませんよね??
最近は一部のマジシャンがマジックのタネをテレビで優しく教えてくれたりしますが、それは教えてもどうってことのない古いマジックや、プロがやらないような簡単なマジックのタネであって、現役でやっているマジックのタネをテレビで教えたりすることはありませんよね?
だって教えて何のメリットがありますか??(笑) 自分の首を絞めるだけですからね。
また、もし教えてしまったら、同業者から大ヒンシュクを食らうでしょう。

これはプロドライバーだって同じです。
雑誌などの原稿料をいくら貰っているのかは知りませんが、長年かけて苦労して自分で見つけたり作ったりした、現役で使用している理論やテクニックを、多少のお金で雑誌なんかに書くわけがないと考えるのが普通ですね?
仮にそれを素人は理解できなかったとしても、もしも同業者のプロが見れば分かってしまいますからね。
当然あるレベル以上の人に見られると、真似されて自分の首を絞める可能性がありますね。
だからきっとプロドライバー達も、自分の子供や一部の教え子に教えることはあっても、一般に教える事はなく墓場まで持って行くはずです。
例えばアイルトン・セナは、彼のテクニック「セナ足」について、殆ど何も語ってくれませんでした。
(これはドラテクだけでなく、チューニングやセッティングでも同じです。 余談ですが私の経験上、プロは皆同じ様なものを隠していると思いました。 そしてそれは、とても身近な所にある、「ある本」に書かれている事も。)

でー、何が言いたいかというと、素人だってそれは同じだということです。
素人だって、素人なりに自分だけの秘密の事があります。 もちろん、私にだってあります(笑)。
あるレベル、一般に正しいと言われている理論やテクニックや練習方法より上のものは、普通は誰も教えてくれません。
つまり、そこから先は自分で見つけたり作ったりしなければならないのです。
それが出来なければ、一般に言われているものを知っているだけ、出来るだけの、平均的なドライバーで終わります。
マジシャンで言うならば、古くて皆がタネを知っているマジックしか出来ないマジシャンと同じです。

私が最も伝えたかったものはドラテクや車の「知識」ではありません。 「考え方」です。

上記の様な、「自分のオリジナル」の理論やテクニックを作ろうと思った時に必ず必要となる、その「作り方」です。
良く運転が上手く、速くなるためには「理論」をしっかり学ぶことが必要だ、、、なんて耳にタコが出来るほど言われていますね。
でも普通の人は、その理論を学ぶという事自体が、何を持って理論を学んだことになるのか?が分からないと思います。

「さあ、俺も今日から理論を学ぶぞー!!」と思っても、まず今日何から始めればいいのかが分からない人が多いのです。
これだけ理論が大事、理論が大事と言われている割に、その理論を考えることとは何なのか、その作り方や考え方を誰も教えてくれないのです。
また、「これを知れば理論を学んだと言えます」と言えるような、一つの方程式があるわけでもありません。

そこで私は、この世界を支配している法則を扱う「物理学」というものを使って、その作り方のサンプルを示してみたわけです。
簡単に言うと、理論の「作り方」を教える(伝える)ことがこのホームページの目的です。
そのためにどの話にも、答えだけではなく、必ずモデルや途中計算を詳細に書いているはずです。
それも工学の言葉を使わずに、「全て高校レベルの範囲内で」です。
つまり誰でもその気になれば、検証できるはずです。
これは、結論や答えだけをポンと書いて、「私の言っていることを信じろ」というものと区別するために、私がこだわっている所です。

私の出した答えは一つのサンプルに過ぎません。 よって、答えを暗記することにはあまり意味がありません。
重要なのはその思考方法です。
例えこのホームページが閉鎖されても、物理学を使ってこのホームページに書かれている事と同等以上の、自分のオリジナルの理論を作れるようになることが本来の目的です。

誰でも始めは、模倣(真似)から始まります。 もちろん、私もそうでした。 もちろん始めはそれで、正解です。
ただ模倣だけでは、模倣している相手よりも上に行く事は出来ません。
そこから先は、自分で考える力がどうしても必要となるのです。
このホームページを利用して、その方法と考える力を少しでも習得してもらえたらな、と思います。

ま、もちろんホームページの特性上、不特定多数の人に無条件で公開しているので、どのように利用しようが自由ですが、
私の意図はそこにあるという事を心のどこかに留めておいてもらえたらな、と思います。


特に「ガチで速くなる練習方法」は、これまでもこれからも、始めに書いた「私が一般に教えるつもりのなかった秘密のこと」を多く含みます。
もちろんそれを公開してしまうことで、私に直接的には何のメリットもありませんが、始めに書いた通り、読者の中からトップドライバーが出てくれることで私の喜びとします。

これから先はちょっと時間節約のため、すぐに答えを書いてしまうことが多いと思いますが、それが「自分で考える力」を身に付けるのを、邪魔しないことを願っています。



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