第六感を駆使したドライビングをする


一般に人間の感覚は、五つ有ると言われていますね。 いわゆる五感と言うやつです。
それは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚ですか。
言わば、人間の持つ5つのセンサーの様な物ですね。 ドライビングには、この中でも特に視覚が大事でしょう。
聴覚も結構大事かな。

しかし人間には、確実にもう一つの感覚、センサーが有ります。
それが第六感です。 いわゆる、「シックスセンス」って奴ですか。
もちろんそれは、霊感や超能力ではありませんよ(笑)。

ここで書く第六感とは、加速度の感覚です。 いわゆるGセンサーって奴です。
つまり、人は目をつぶっていても立っていられるし、エレベータが上っているのか下っているのかも分かりますね。
乗り物酔いするのも、宇宙飛行士が、宇宙酔いするのもこのGセンサーのせいです。
つまり全ての人間は、この加速度を感知する機能を持っているのです。
逆に、このGセンサーの調子が悪くなると、「めまい」を起こして大変になりますね。
人間にこの第六感、Gセンサーが存在している事は疑いの余地が無いでしょう。
(ちなみに何故これを、五感の様に人間の一般的な感覚に入れないのか不思議)

さて、本題に入りましょうか。
良く、ゲームセンターのドライビングゲームや、プレステのグランツーリスモでもいいですが、それらが得意でも、実際の車の運転は苦手な人がいますね。
グランツーリスモ等の最近のゲームは良く出来ていて、殆ど実車と同じ動きを計算でシミュレートしています。
それなのに、ゲームでは素人がプロドライバーに勝ってしまう事も有るでしょう。
では、ゲームと実際の運転での一番の違いとは何でしょう?
ぶつける恐怖感が無いこと? それも有るでしょう。(笑)

まあそれは置いておいて、最近のゲームは綺麗な3D画面が出て、リアルな音も出て、おまけに振動まで再現する物が有りますね。
ただ、唯一ゲームでは再現できないのが、「加速度」です。 つまり、Gですね。
このGを感知する能力が、実際に車を運転するには非常に重要になるわけです。
ゲームでは、タイヤが滑る限界を、画面とタイヤのスキール音から得るだけなのに対し、実際の運転ではそれらプラス、Gにより感じ取ることができますよね?
これは、ドライビングセンスの正体とは?に書いたように、先の予測に不可欠な物です。
よって、このGセンサーをうまく使えている人と使えていない人とでは、大きな差が出てしまうわけです。
このように、運転するためには、人間の持つGセンサーが非常に重要な物なのです。
しかし、このGセンサーをしっかりと使うためには、コツがいります。

プロドライバーなどで、良くこのGを、尻で感じるとか、腰で感じるとか言う話を聞きますが、医学的に人間のGセンサーは、尻にも腰にも付いていません。
実際にはGセンサーは、三半規管と言われる部分が司っていて、それは耳の奥の方(頭の中)に有ります。
よってこの三半規管に、正しい仕事をさせる事が、Gセンサーをしっかりと使うコツなのです。

その方法はそんなに難しくありません。 ただ、Gセンサーである三半規管を、常に路面に対して水平に保てばいいのです。
当たり前ですが、センサー自体がブレたり、動いたり、傾いたりしたら、当然感度が落ちます。
はっきり言って、車を支配下において操っている運転をしている人と、逆に車に乗せられている運転をしている人との一番の違いは、このドライバーのGセンサーが、常にブレずに一定に保てているかだと言っても過言ではないと思います 。

そしてそのGセンサーの保ち方とは、三半規管は耳の奥の頭の中にあるので、頭を動かさなくすれば良いだけです。
ぶっちゃけ、腰や尻はズレまくっていても、頭さえ固定していればGの感覚を失う事はないわけです。
すなわち、常にドライビング操作の方向を見失うことなく、車をコントロール下に置けるわけです。
ただこの、頭を動かさないという所にコツがいる訳です。

ここで、シートに頭を固定すればいいと思う人もいるかもしれません。
実際にやってみましたが、シートってかなり振動する物なんです。
よって、シートに頭を押し付けると頭がブレ、目までブレて、運転出来たものではないです。
しかし人間の体は良く出来ていて、ビデオカメラの手ぶれ防止機能みたいな物が付いているのです。
それが、「首」です。
この首がクッションとなり、いい具合に細かい振動だけを消してくれるのです。

よって、Gセンサーを固定するには、頭に一番違い場所、「肩」を固定すればいいのです。
この肩を固定するには、いわゆるドライビングポジションを調整する必要が有ります。
その調整とは、「いかなる時も」肩がシートから離れないようにするものです。例え、ハンドルを多く切る時でもです。
そのためには、ハンドルを切って肘を伸ばした時にも、肩がしっかりとシートにくっ付いていなければなりません。
恐らく、シートポジションは前寄りになるでしょう。

4点以上のシートベルトをしている人は、ベルトでガッチリと肩を固定すればいいでしょう。
しかし3点ベルトの場合にはちょっとコツがいります。
肩が横Gに耐えられるように、ハンドルを切る時には軽くハンドルを押してやって、肩がシートにめり込むようなイメージにしてやります。 私はこれを、腕にテンションを掛けるとか、プリロードを掛けるとか言っています(笑)。
力むのではなく、軽く手の平で押すのです。 そうすれば、肩を固定しやすくなります。

実際にこの効果は絶大で、肩が動かなければ、いかなる時もGセンサーが正しく働き、操作の方向を見失うことなく車を支配下に置いて、深い所までコントロールすることができます。
本当に 目からウロコですよ。
たったこれだけで、一気に上手く、速くなることができるでしょう。

これはドライビングポジション一つ取っても、科学的に考える事がいかに大事かが分かる例ですね。

少し長くなったので、次回に続く…。

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