アルミテープチューンについて (軽く理論編 後編)


さて、続きです。

前回は主に車のボディーに対する空力の影響について考えました。
静電気はボディーに沿って流れる空気の境界層剥離を助長してしまうので、ボディーにアルミテープを貼ってそれを除去するという理屈でしたね。
結果、ボディー回りの乱流が減って車体を上下や前後、左右に引っ張る現象が減り車体が安定すると。
また車体後部の乱流が減ることで燃費が良くなったり、リアスポイラーの効きが良くなるといった効果も期待できるということでした。
 
次に車体の中で、空気が高速で流れる他の部分について考えてみましょう。
真っ先に思いつくのはエンジン廻りだと思います。 つまり吸気系排気系ですね。
これらは閉じた空間であるパイプの中を高速で空気が流れています。

ということは、これらのパイプの中でも前回境界層剥離の様な現象が起きている可能性がありますね。
するとパイプの中で乱流が発生して空気の流れが悪くなっている可能性もあるでしょう。
パイプの中を流れる空気を可視化するのは難しいので、実際に乱流が発生している映像を私は見たことがありませんが、理論的には大いに有り得るはずです。

結論から言うと、パイプの中を高速で流れる空気には乱流が発生することがあります。 そして乱流になるかどうかはレイノルズ数と呼ばれる数で決まります。
レイノルズ数はパイプの長さと流体が流れる速さに比例し、動粘度係数と呼ばれるものに反比例します。
つまり、吸気管や排気管の長さが長いほど、また流れる空気の速度が速いほど、レイノルズ数は大きくなります。
そしてレイノルズ数がある値以上になった時に、パイプの中は乱流が発生することになります。
ところがその値は2000程度とかなり小さいため、吸気管でも排気管でも乱流が発生するケースが多いでしょう。

(ここでは詳しく触れませんが、パイプ内で起きることのメカニズムを知りたい方はこちらのサイトなんかが参考になるでしょう。 境界層剥離とは少し違うメカニズムで乱流が起きるようです。 乱流が起きるかどうかはレイノルズ数によりますが、ある程度アクセルを開けて高回転まで回せば、吸気管内も排気管内もレイノルズ数が乱流を起こすのに十分な大きさになるでしょう)

車速が遅くてもエンジンの回転数が高ければ流速は相当速くなる(特に排気は条件によっては音速に近づくこともありそう)ので、一般公道ではこちらの方が乱流が発生する機会は多いのではないか?と思います。

ただしパイプ内で起きる乱流に対して、パイプに帯電した静電気がどの様な影響を与えるのかについては、データを見つけられませんでした。 つまり理論的解明が難しいので、実験してみるのが一番手っ取り早いですね。
もしもパイプ内においても、車のボディー同様に静電気が乱流を増やす作用があるとしたら、パイプの静電気を除去してパイプ内の乱流を減らすためにパイプにアルミテープを貼る、というのがボディに対する空力効果を目的としたもの以外の、もう一つの有効なアルミテープの使い方となるでしょう。

具体的なアルミテープを貼る場所としては、例えば吸気系ならばエアクリボックスや吸気パイプ、インマニ。 排気系ならばエキマニやフロントパイプ、触媒、マフラーなどとなりますかね。
ただし排気系のパイプはとても高温になるためアルミテープのノリが持つかどうかが難しそうなので、取り敢えずはマフラーのテール部分だけに貼って効果を見てみましょう。

ついでにエンジンブロックの静電気も除去すれば空気の流れが全体的に良くなるかもしれませんね。 そのためには、比較低温なヘッドカバーなんかに貼ってみるのが良いでしょう。 その他にはプラスチックパーツであるプラグカバーやタイミングベルトカバーなんかに貼るのも面白そうですね。

排気系部品には普通は金属が使われているのでコロナ放電効果が少しはありそうですが、吸気系はプラスチック系の素材が使われていることが多いので、静電気を帯びていることが多そうですね。 よって理論的には吸気系の方が効果は高そうです。
 
その他にブレーキマスターバック、マスターシリンダーも何らかの効果があるかもしれないので試してみました。
マスターシリンダーの中を流れるのは空気ではなくブレーキフルードですが、マスタバックは空気が流れているはずですから何らかの変化があるかもしれません。
 
その他には、電装部品であるヒューズボックスバッテリーにも効果があるという話を見たことがあるので試てみましょうか。


では理論はこの辺にして、実際にやってみましょう。

続く……


Back        Top