アルミテープチューンインプレ エンジン廻り編
さて、次にエンジンルーム内にアルミテープを貼ってみて、その効果を試してみましょう。
エンジン廻りの理論編は
こちら。
前回同様に、記号の意味は以下の通り。
◎ 良い方向にとても体感できた。
〇 良い方向に若干体感できた。
△ 体感できる変化は無かった。(もしくはプラセボの範囲内)
× 悪い方向に変化した。(私の好みの方向とは違うという意味です)
では実際に走行してみた結果です。
エアクリーナーボックス |
◎ |
インテークパイプ |
◎ |
ヘッドカバー |
◎ |
プラグカバー |
△ |
インマニ |
△ |
タイミングベルトカバー |
◎ |
|
|
ブレーキマスターバック |
〇 |
ブレーキマスターシリンダ |
△ |
|
|
バッテリー |
△ |
ヒューズボックス |
△ |
|
|
マフラーテール |
〇 |
詳細について:
正直に言って、私の場合はボディーの空力効果よりもこっちの方が体感できました。
特に吸気系への施工はとても効果を感じます。 アクセル操作に対するエンジンの
レスポンスが上がり、吸気音も変化したと感じました。
更にパワーもおそらく少し上がっていると思います。 特に高回転時においてはそれを強く感じました。
(一応、レーダー探知機の加速度センサーでも加速Gが少し上がりました)
そして、吸気系以外では
ヘッドカバーやタイミングベルトカバーへの施工時に大きく変化を感じました。
逆にプラグカバーはプラスチック製ですが、変化が体感できませんでしたかね。
インマニにも一応貼ってみたのですが、これはもともと金属製のためか体感できませんでした。
マフラーテールは若干ですが体感できたと思いました。
とにかくエンジン廻りについては、極めて費用対効果が高いと感じました。 エンジンオイルを新しいものに交換した程度の体感は誰でも出来ると思います。
だいぶ昔に磁石やトルマリンを貼り付けるチューンが流行ったことがありますが(私も試したことがあります)、おそらくこちらの方が体感度は上でしょう。
ついでにブレーキマスターバックとマスターシリンダーにも貼ってみたのですが、マスターバックについてはブレーキタッチが少し柔らかい方向に変化しましたかね。
これはブレーキのアシスト量が増したためかな?
ペダルタッチの方向はカチッとするの逆です。 ブレーキマスターシリンダーO/Hをすると同様に柔らかい方向に変化すると思いますけど、それと近いフィーリングです。 この変化を剛性が落ちたと捉えるのか、スムーズに動くようになったと捉えるのか、まあ好き好きでしょう。
最後にバッテリーとヒューズボックスですが、これらについては体感できる変化はありませんでした。 ただそれほど多く貼ったわけではないし、私が体感できないだけで、何らかの変化が起きている可能性はあります。
カーオーディオの音質が変わるなど、走りとは関係ない場所の変化が起きる可能性はあるかもしれません。
考察:
まずエアクリボックスや吸気管ですが、私の車ではこれらはすべてプラスチック製なので、静電気を帯びている可能性が高いです。 そしてそれが、
理論編に書いたような乱流をより大きくしていたのだと思います。 つまり、
静電気がレイノルズ数を大きくしていたのでしょうね。
理論編に書いたように、レイノルズ数は吸気管が長いほど大きくなります。
実験した車はターボ車なので、そもそもエアクリーナーからインマニまでの経路、つまり吸気管が構造上長くなります。
(エアクリ → タービン → インタークーラー → インマニとなる)
なので、より一層乱流が大きかった可能性が高いでしょう。 この吸気管の長さが体感度を上げている可能性があります。
特にエンジンが高回転、高ブースト時に顕著に体感できました。
これは吸気管内の流速がとても高い状態で、
最もレイノルズ数が大きくなる状態です。 よって概ね予想通りの結果です。
次に驚いたのが、
エンジンヘッドカバーです。 これは表面が塗装されているので絶縁体になっているのか分かりませんが、かなり体感できました。 ですが、理由は不明です。
静電気を除去することでヘッドカバー内のカムシャフトなど回転物の抵抗が減ったのか、或いはヘッドカバーをアースしたような効果により、プラグのスパーク力が上がったのか、はたまたそれ以外なのか……。 理屈は不明ですが、明らかにパワー感とフィーリングが向上しました。
ちなみに
プラグカバーはプラスチック製なので、効果を期待したのですがこれについては変化がありませんでした。
まあ、おそらくプラグカバーはスパークに影響を与えないのでしょう。
それと念の為に試した
タイミングベルトカバー(プラスチック製)が効果絶大でした。
実験した車はタイミングベルトがチェーンではなくベルトですが、材質的に何となく静電気を生みそうですね。
タイミングベルトカバーの静電気を除去することで、内部のタイミングベルトやその他回転物の動きがスムーズになったのでしょうか? これについても原因は不明です。
マフラーテールについては、マフラーアースの様な効果があったのでしょう。 排気系はもともと金属製なのでコロナ放電をしそうですが、尖ったアルミテープを貼るとより放電できる可能性があるでしょう。 結果、吸気系と同じく乱流が減ると。
ただし
排気系は高温になるため、アルミテープのノリがどれだけ持つかが問題ですね。
なので今回は比較的低温なテール部(リアピース)だけで実験しました。
排気系にはアルミテープではなく
尖った金属を溶接すれば、もしかしたら大きな効果が得られるかもしれません。
(エキマニ、フロントパイプ、タービン、アウトレット、触媒、マフラーなど)
とまあ、今回の実験はこんな感じです。
昔、オカルトパーツの代表格として
SEVなるものが流行ったことがありました。 当時、どうして効果があるのか理由は不明だったのですが、今から思えば静電気除去が関係していたのかもしれませんね。
もし効果が同様ならば、アルミテープは数十分一程度の価格で入手できますので、コスパ最強ですね。
今回は試しませんでしたが、サスペンションダンパーなども流体が流れるので、アルミテープの効果がある可能性があるでしょう。
その他にも色々試してみると面白いのではないでしょうか?
最後に少しだけ物理の話しをしておきましょう。
よく電気系や磁石系のチューンはオカルトだという人がいますが、この世界に存在する力(正確には相互作用)は実は
4つ(4種類)しかありません。そして我々が日常で体験する力は
重力と電磁気力の2つだけです。 残りの2つは、原子核の中の様な超ミクロの世界だけで起きる力なのです。
ときどき「第5の力を見つけた!」なんてニュースが物理学の世界に走ることがありますが、現在のところ確認はされていません。
つまり、我々が日常で体験する重力以外の力は、
すべて電磁気力ということになります。
電磁気力についてはいいですね? 電気や磁気が引き合ったり遠ざけ合ったりする力です。
電気と磁気は基本的に同じものだと考えてください。 同じ力を違う角度から見ているようなもので、双方が密接に絡み合って作用します。
つまりガソリンが燃えてピストンを押し下げる力も実は電磁気力だし、人間の筋肉が出す力も電磁気力なのです。
本当に重力以外の力は、元を辿っていけばすべて電磁気力なのですよ。
なので電気や磁気に作用するものが、自動車にも何らかの影響を与えることはある意味、当然といえば当然と言えるでしょう。
まあ、それを体感できるかどうかはまた別の話ですが……。
取り敢えず、こんなところでアルミテープの話は一旦終わりにします。
今回も私が使用したアルミテープとハサミを載せておきますね。
導電性アルミテープ
ギザギザに切るハサミ
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