四輪駆動車を速く走らせる運転のセッティング その2


さて、久しぶりの更新となってしまいましたね。
この一年、ずっとサロンの方に多くのエネルギーを注いでいるため、なかなかウェブの更新が出来ませんでした。
サロンの方もまだ少し人数に余裕がありますので、興味がある方は来てみてくださいね。
コスパは最高だと思いますよ。


さて、今回は四輪駆動車にてヨーを残しやすくするセッティングについて書いてみましょう。
前回書いたアンダーステア方向のセッティングの逆をやればいいわけですから、予想が付くと思います。

まず始めに電子制御センターデフを持つ車ならば、センターデフを緩める方向にすれば良いでしょ。
インプレッサ(WRX)STIならばDCCDを緩める方向だし、ランエボZ以降ならばAYCのセッティングをターマックモードにすれば良いでしょう。
GT-Rでも同様のセッティングが出来るはずです。

それでもまだ曲がりにくい、或いはヨーが作りにくいと感じる人は、電子制御センターデフ搭載車なら社外品のセンターデフコントローラーを入れたり、ビスカスセンターデフ搭載車ならばターマックギア的なものを入れる方法もありますが、私はあまりお勧めしません。

理由は、まず掛かる費用が高価ですし(特にデフ本体を変える物は)、四輪駆動車の最大の武器であるトラクション性能が落ちるからです。
また荷重曲げがうまく出来ない内は良いかもしれませんが、練習してうまく出来る様になったり、またこれも良くある話なのですが何らかのきっかけで偶然決まってしまった時にスピン挙動になることがあるからです。

そして四輪駆動車のスピン挙動を収めるのは、練習していないとかなり難しくなります。
多くの場合、パニクってアクセルを踏めなかったり、踏めてもカウンターステアを当ててしまい、その戻しが遅くてカウンターのお釣りを貰って外側に吹っ飛んでいくでしょう。

ジムカーナや四駆ドリフトを目的とするなら良いですが、普通のコースで速さを求めるのならばセンターデフはオーバーステア方向にはしないことをお勧めします。
せっかく高いお金をかけて替えたのに、また戻すのも勿体ないですからね。

そんなわけで電子制御センターデフ搭載車でもビスカスセンターデフ搭載車でも、足廻りのセッティングでヨーが残る、つまりオーバーステアセッティングにすることをお勧めします。

具体的には、

・リアをトーアウトにする
姿勢が作りやすくなり、小回りも効く様になるのでイチオシです。

・リアのキャンバーを立てるか、フロントのキャンバーを寝かす
リアをトーアウトにするのとキャンバーを起こすのとでは、挙動が全く異なります。 トーは車の姿勢を(内側に)変え、キャンバーは滑り出す限界点を変えます。
トーをアウト側に振ってもキャンバーが付いていると限界は高めとなります。

・相対的にフロントのロール剛性配分を上げる(バネ、ダンパー、補強バーなど)
ただし、ターンインではアンダーステア方向に行きます。


因みにドリ車でよく使われるリアタイヤの空気圧を上げる方法は、場合によってはアンダーステア方向に行くこともありますので、少しずつ変えて実験してみてくださいね。

以上ですが、オーバーステア方向のセッティングにする場合には、くれぐれも注意して運転してくださいね。
今はシミュレーターがたくさんあるので、実車でぶつける前にまずはそれらで練習するのがお勧めです。

そして最後に、極端なオーバーステアセッティングは初心者向けのセッティングだと言うことを覚えて置いてください。


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