リアブレーキの注意事項


さて、久しぶりのS2000の研究の話です。
今回は、リアのブレーキの注意事項です。

S2000のリアブレーキは、フロントに対してプアなのは今や有名な話ですね。
何せ、ブレーキパッドはEK9(初期型シビックR)と同じ物ですから。

EK9は、車重が1000Kg ちょっとで、しかもリアが軽いFF車です。
1240Kgの車、それも前後重量配分が50:50の車で、EK9と同じブレーキを使ってると言うのも、ちょっと無理が有りそうですね。
さらに、市販車のブレーキチューニングについて考える(前編)に書いたように車高調を入れるなどして足廻りを変えていると、より一層リアのブレーキの負担が増えますね。 ロックの限界が上がりますから。

更に、タイヤを17インチにしてたり、太くしたりすると更に負担は増加しますね。
ちなみに私の場合だと、車高調を入れただけで、16インチのノーマルサイズのラジアルタイヤでも、リアのローターの温度を測って見ると、フロントよりも100度以上高く、パッドの摩耗速度も倍以上でした。

車というのは、フロントブレーキが効かなくなると、明らかに不具合と感じるのでチェックする物ですが、リアのブレーキの効きが甘くなっていても、今一体感しにくい物です。
実際には、制動距離が伸びてきたり、フルブレーキ時にリアタイヤは鳴かなかったりしてくるのですが。

まあ、根本的に解決するには、リアのブレーキシステム自体のキャパを上げるのが理想ですが、お金が掛かるし、ハードルが高いですねぇ。 前後バランスのセッティングを取るのも難しそうだし。
そこで今回は、特にブレーキフルードのエア抜きの話をしたいと思います。

足廻りを変えたり、リアタイヤのサイズを変えたら、まずリアのエア抜きのサイクルを早くする必要が有りますが、とどめが「ワイドトレッドスペーサー」ですかね。
特に、量販店などで売られている安物の、多くのPCDや穴数に対応した空洞だらけの奴です。 径も小さい奴ですね。
これを入れると(結構入れている人が多い)、リアのローターの熱がホイールに伝わりにくくなるために放熱性が落ちて、より一層ローターの温度が上がります。
よって、あっという間にリアのブレーキフルードが沸騰するようです。
実際に見てみると、ビックリするくらいエアが入っていました。
よって、車高調を入れてスペーサーを入れている人は、すぐにエアが入ると考えて、リアだけでも頻繁にエア抜きする事をお勧めします。

実際にエア抜きすると、明らかに制動距離が縮み、フルブレーキ時にフロントタイヤだけでなく、しっかりとリアタイヤもスキール音がするようになりました。
ブレーキペダルを踏んでみて、エアが噛んでいるのがそれ程体感出来なくても、リアには意外に溜まっている物でなんですね。そして、リアのエア噛みはフロントと比べて気付きにくい物だと思います。
よって、足廻りを変えたりスペーサーを入れたら、かなり頻繁にリアのエア抜きをする事をお勧めします。

私は、このリアのブレーキのキャパの少なさは、明らかにS2000のウィークポイントの一つだと思いますかね。
130系のマイナーチェンジから、タイヤも太くなったし、純正でキャリパーだけでもキャパを増やしても良かったと思うんですけねぇ…。 まあ、コスト的に無理だったのでしょうか。

サーキットをガツンガツンに走っている人は、逆に走行後にエア抜きは常識的に行っているでしょうが、街乗メインでワインディングを軽く攻める程度の人は、意外と意識していない人も多いと思います。

最近、何となく制動距離が延びたような…。 と思う人は、まずリアキャリパーのエア噛みを疑ってみると良いと思います。

以上

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