第十話 ダウンヒル


神奈川県、K村:

三矢峠、T公園パーキングにて。

東山:「ついに今週はプロジェクトDとの下りのバトルですねぇー。」

山田:「うーん。先週の上りは悔しかった!! 今度は勝ちたいですねー。」

大林:「今度の相手は、ハチロクだよね?? 結構有名らしいですよ、ハチロクの下り。 噂によると、ドリフトの名手らしいし。
何でも茨城で「神の手」とか言われている、S2000に勝ったらしいですよ。 さー、どうします? お二人さん(笑)。」

東山:「いや、向こうから連絡があって、今回の下りはインプレッサでやるらしい。 ドライバーはハチロクのドライバーだけどね。」

福田弟:「イ、インプレッサ!! またまた反則じゃないですかー。」

東山:「GC8らしいけどね。」

山田:「バージョンいくつですか??」

東山:「Xらしいよ。」

山田:「へー…。GC8のVerXかぁ。」

福田弟:「ん?どうしました?」

山田:「いや、ちょっとその車には思い入れがあって(笑)。」

大林:「へぇー。なんだろ。」

福田弟:「そんな事より最大の問題わー、今回は誰が相手するんですか??」

大林:「じゃあ、こっちもGDBインプで丘ちゃん何かどう?? 峠の反則車対決(笑)。」

山田:「それか、今度は東山さん、いっときます?? ミラで(笑)。」

東山:「いや、さすがにインプとミラは無いだろ(笑)。」

山田:「ジョーダンです(笑)。 S2でいいじゃないですか。」

東山:「残念ながら、今回も相手リーダーのご指名なんだ。山田さん。」

山田:「え?また俺??」

東山:「山田さん、前にインテグラで走ってた時に、白いFCに煽られた事無かった??」

山田:「うーーん。有ったような、無かったような…。色んなのに煽られたからね。特にセブンには・・・」

山田:「それでご指名??」

東山:「おそらくね。」

大林:「じゃあインテで走ったら喜ぶかもよ(笑)。なーんて、ジョーダン。」

山田:「うーむ、相手はインプレッサかぁ…。化け物の四駆ターボ。。。」

山田:「よーしゃ、どうせ遊びだし、相手の期待に答えますか。今度はインテ持ってくるよ。」

福田弟:「え?? マジですか?? S2の方がいいんじゃないですか??」

山田:「どうせS2は上り負けてるし…。まあ、久しぶりにFFもいいでしょう。」

東山:「へー、山田さんがFFねぇー。」
 



群馬県 秋名湖畔:

いつき:「拓海ぃー。この間の、神奈川遠征はどうだった??」

拓海:「やっぱり凄いよ、走りの本場だけあって。これからも、厳しい戦いが待ってるよ。」

いつき:「そっかあ。そういえばさ、インプレッサって大分乗れるようになってきたの?」

拓海:「うーん。ハチロクと比べると、桁違いにパワーあるしトラクション有るし…。ただ性能をどれだけ出せているのかは正直、まだ良く分からないよ…。」

いつき:「へー、お前でもそんなんものなのかー。俺のハチゴーも一応ターボ車だけど、やっぱりNAとは色々違うよな。」


「プルルー」

拓海:「ハイ、藤原…、あ、涼介さん。え?インプレッサ??」

涼介:「そうだ。今度はインプレッサで走ってくれ。」

拓海:「え?ハチロクは?? それにインプはまだ…。」

涼介:「いいんだ。今回は公式な遠征じゃないからな。とにかく、そういうことだから。」

拓海:「ハ、ハイ…」

 


群馬県 赤城山:

史裕:「涼介、どういった風の吹き回しだ?? ずっとハチロクで通してきたのに急に藤原にインプだなんて。」

涼介:「俺なりの考えがあってのことさ。それにDの遠征は勝つことだけが目的じゃないからな。」

啓介:「非公式な遠征とはいえ遊びすぎじゃないか?? それにインプとハチロクじゃあ、いくらなんでも戦闘力が違いすぎないか??」

涼介:「フッ、それはどうかな。啓介、お前も次のバトル、良く見ておくんだ。」

啓介:「…。」
 


続く・・・

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