第三話 バトルの夜


バトル当日:

山田: 「おーう。 あのFD、ベタベタの車高を上げてきたな。」

東山: 「ほんとだー。でもなんかかっこ悪くなったなぁ(笑)。」

山田: 「東山さん、カッコにこだわってたらダメっすよ。 東山さんの車、ストロークねーし(笑)。」

東山: 「orz…」


啓介: 「アニキ、あのS2、ぱっと見GTウィングとホイール、ローダウン以外、ノーマルに見えるんだけど、あれがそんなに速いのか? ターボ付いてるとか…」

涼介: 「何言ってるんだ、啓介。お前の相手はあれじゃない。 もう一台の方のS2だ。」

啓介: 「ハァーーー!? あれ、ノーマル車高じゃねえかぁ。 マフラーもホイールもノーマル、場違いでみっともねぇー。 ギャラリー車かと思ってたよ 。 … 。」

涼介: 「…。」

啓介: 「でも、中はカリカリにチューニングされてるんだろ? もちろん、パワーも出てて…。」

涼介: 「いや。ドライバーが言うには、ブレーキパッド以外、完全にドノーマルらしい。 吸排気系はもちろん、足回り、ホイールまでノーマルだ 。 軽量化も、得にされていない。」

啓介: 「なッ!!!。 何言ってるんだアニキ。 マジで言ってるのか?」
啓介: 「ノーマルのS2って言ったら、パワーどれくらいなんだ?」

涼介: 「まあ、出てて220馬力ちょっとって所だろう。 実測値で。。。」

啓介: 「オイオイ、冗談やめてくれよ。俺のFDは、ダイノパックで400馬力近くでてるんだぜ。 上りで相手になるわけねーじゃねーか 。 しかも、今回のコースは、200Km近く出る直線がいくつか有る、高速混じりのコースなんだぜ。 あいつらなめてんのか、俺達の事!!」

涼介: 「言っただろ。 今回の相手は、スーパー理論派だ。 実際に、あのS2はランエボZのショップデモカーと引き分けたって噂さ。 それも、先行してだ!! その意味がわかるか? 」

啓介: 「エボZ!!  4駆ターボの、あの超ハイテクマシンとか?? しかもショップデモカー!?」

涼介: 「…。」

史浩: 「しかも、噂では、ドライバーがS2に慣れる大分前の話だそうだぜ。 元々、FF乗りだったらしいからな。」

啓介: 「元FF乗り? FF乗っててテクなんて付くのかよ。。。 四駆やFFは嫌いだ…

涼介: 「…。」

涼介: 「よし、いいか啓介、良く聞け。 今回の相手は、お前と正反対のタイプのドライバーだ。 別の言い方をすれば、お前に1番欠けているものを持っている、超理論派のドライバーだ 。 恐らく、お前が1番苦手なタイプだろう。」

啓介: 「え? 理論派といえば、俺だって理論派で名の通ったアニキに散々しごかれて来たじゃねーか。 座学までして。 そりゃ、まだとてもアニキには追いつけないけど…」

涼介: 「いや、啓介。 こと理論派という点においては、今回の相手は俺より上だ。」

啓介: 「!!!!。 あ、アニキよりもか?? そんな走り屋、日本中探したって居ないんじゃないのか?」

涼介: 「フ、世の中広いということさ。 どうやらあのS2のドライバーは、本物の理論派、物理の専門家らしい。」

啓介: 「物理ぃ? さっぱりわかんねぇー。。。っていうか、俺そういうの嫌いだ…。」

史浩: 「何でも噂によると、ノーベル物理学賞を取った研究室に居たとか居なかったとか…。」

啓介: 「ノッ!? 何でそんな奴が走り屋なんてやってるんだぁ?? 意味わかんねぇ。」

涼介: 「さあ、そこまではな。 とにかく、、、お前をここに連れてきたのは、お前に1番欠けている物を学ばせる為だ。 やはりお前は、藤原と同じで感覚派のドライバーだからな。 こんなチャンスは2度とない 。 究極の理論派といわれるドライバーの走りを見て、何かをつかんで来い。 」
涼介: 「プロジェクトDの連勝記録がかかっている事も忘れるな!!」

啓介: 「ゴクリ」


続く・・・

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