ランエボとインプレッサの小話  その1



さて、車評の一発目はラリー派にとっては避けて通れない車であり、安く速く走ろうと思ったら世界中を見渡しても類を見ない車、ランエボとインプレッサについての小話です。

WRCを始めラリーにサーキットにジムカーナと、さまざまな舞台で熾烈な戦いを繰り広げてきたランエボとインプレッサ。
今回は長らくライバル関係が続いてきた、ランエボとインプレッサについて少しフォーカスしてみましょうか。
 
内容はエボ]と現行のスバルWRXより少し前の、GDBCT9Aまでの話をメインに書きますね。
これらの旧型モデルは、ようやく中古市場で値段が下がってきていて(それでもまだ高いですが)若い人たちでも手に届きやすくなってきたと思うので、日本が世界に誇るスポーツ4WDのバイヤーズガイドとしても参考にしてみて下さいね。
 
 
さて、GDBとCT9A時代までのこの両車は、サイズもスペックも殆どコピペ状態。
実際の性能も互いを意識しており、ガチのライバルであったことに疑いの余地はないでしょう。
ところが不思議な事に、オーナーはインプレッサ派とエボ派に分かれることが多く、両車をまたいで乗り継ぐオーナーはとてもマイナーな存在だと思います。 いえ、むしろ互いのオーナーはライバル車を忌み嫌っているイメージさえ有るでしょう(笑)。
 
ちなみにあなたは、ランエボとインプレッサ、敢えて選ぶならどちら派ですか??(笑) 
恐らく全国で平均を取るとインプレッサ派の方が多いのではないかと思います。

メディアの扱いやイニ○ャルDなどの漫画でも、何となく世間はインプレッサびいきのような気がしますよね。
イニDでは主人公親子がインプレッサに乗っているのに対し、ランエボははっきり言って悪役っぽいです。 また対戦相手としてインプレッサが一台も出てこないのも不自然ですよね。
実際にテレビCMやディーラーに行った時の広告などのマーケティングも、はっきり言ってスバルの方が上手だし力を入れているといえるでしょう。 特にスバルのカタログは見ているだけでインプレッサが欲しくなるほどによく出来ていますし、試乗も多くのディーラーで出来ました。
対する三菱は「売る気あるのか?」ってくらい、商売が下手だといつも思っていました(笑)。

 
それとこれは私個人的な意見ですが、ベストモータリングの様なビデオは購買の大きなモチベーションになっていたと思うのですが、何となく全体的にスバルびいきだったと私は感じていました。
例えばサーキットだとインプレッサだけブーストアップしているっぽかったり(それでエンジンブローとか)、ジムカーナ比較だと540°ターンなどでインプレッサがグリップ走行なのに対し、何故かエボは煙モクモクのドーナッツターンをしていてエボが負けたりするなど、「比較になっていないじゃないか―」って何度か思ったものです。
なんだか、無理やり両車を引き分けにしないといけない大人の事情が見え隠れしています。
 
本当かどうかは知りませんが、ベストモータリングはあまりにヤラセが多くて、それが嫌になった三菱ドライバーの中谷選手が途中から出演しなくなったなんて噂もありました。(真偽の程はお調べください(笑))
 
そんなこんなで、世間ではインプレッサが好きな人の方が多くなっているのではないかと考えています。
始めに断っておきますが、私はランエボもインプレッサもどちらも好きですし、どちらも名車だと思っています。
ただ今回は、いつも悪役にされがちであまり良さが語られる機会のないランエボの味方をしてみようと思うので、その辺はご了承くださいねっ。
 
 
今までにランエボに対するインプレッサの素晴らしさについては、ステレオタイプの様に多く語られいますね。
ランエボに比べて低重心、低振動のエンジン、シンメトリーレイアウト。
縦置きミッションで優れた前後重量バランス。  電子制御に頼らず物理的に素性の良いバランスで、ナチュラルなハンドリング。
ドライバーの技術がそのまま挙動に出る素直な特性で初心者の練習に向いている。  四駆と言えばスバル。
ランエボと比べ外見もジェントルで、オタクっぽくない(笑)。 などなど……

この様に一般メディアやネットにはインプレッサ目線の話が多く、インプレッサの素晴らしさについては語り尽くされている感が有るので(笑)、まずは少数派のランエボの目線からインプレッサに対するランエボのアドバンテージを見てみましょう。
(後にインプレッサの小話も書く予定ですからね)
 

取り敢えず私の知識の都合から、ランエボWインプレッサSTIVerWからの比較としますね。
それよりも前の世代から両車はWRCを始めとしたラリーの世界で大いに活躍していましたが、両車がグラベル路面の様な悪路だけでなくサーキットでも注目され始めたのは大体この世代くらいからでしょう。
 

ではまず、エンジン系(パワーユニット)から見てみましょうか。
スバルは初代から未だにSTIに搭載しているエンジン型式はEJ20ですね。
ボア・ストローク比さえ同じならエンジンの型式は変えないようですが、実際にはモデルごとにカムなどを始め大きく変更されています。
EJ20は水平対向エンジンなのでとてもコンパクトに見えますね。 またアルミブロックを採用しているので、軽くなっています。
シリンダーの肉厚もかなり薄めですね。

対するランエボはVerTからVer\まではずっと4G63ですね。 4G63は鋳鉄のエンジンブロックなので、重たい代わりにとても頑丈です。 4G63は頑丈なこと以外にEJ20に対するアドバンテージが見えないと思いますが、実際にはどうでしょうか?

では少し物理的な目で見ていきましょう。


続く……


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